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     前回の会報誌では、治療の中心はレボドパ製剤というタイ
    トルでのコラムでしたが、会報誌発行後、レボドパの血中で
    の分解を抑制する薬剤(COMT阻害薬)として、オンジェン
    ティス®が2020年8月に発売となりました。この薬剤は、コ
    ムタン®と同等の効果(オフ時間の短縮)が期待できますが、
    1日1回の内服で持続的な効果が得られること、効果の発現が
    速い(1週間程度で効果を実感できる)ことなどが特徴です。

     パーキンソン病の治療を開始して3~5年以上が経過すると、多くの方
    が運動合併症に悩まされます。運動合併症とは、薬剤効果持続時間の短縮
    (ウエアリング・オフ)や自分の意志とは無関係に勝手に体が動いてしま
    う現象(ジスキネジア)のことですが、これらは脳内の線条体におけるド
    パミン濃度の変動が大きくなり、受容体の刺激が不安定になることが原因
    と考えられています。したがって、持続的かつ安定的に受容体が刺激され
    ることが理想的な治療になります。そのためには、作用時間ができるだけ
    長く、血中濃度ができるだけ一定になる薬剤が望ましいといえます。その
    観点からは、ビ・シフロール®の徐放剤であるミラペックス®LAや、レ
    キップ®の徐放剤であるレキップ®CRは、作用時間の長さや血中濃度の安
    定性において優れた薬剤といえます。また、貼付薬であるニュープロ®
    パッチとハルロピ®テープ(レキップ®と同じ成分を含む)は、皮膚から
    薬剤が持続的に吸収されるため、内服薬よりもさらに血中濃度が一定に
    なりやすく、また、嚥下障害のため内服が困難な方でも使用できるといっ
    た利点があります。アポカイン®は、薬剤効果の切れたオフ時に自己注射
    を行うもので、即効性が期待できますが、効果の持続は比較的短く、内服
    薬の隙間を埋めることを目的としたものです。

     一方で、非麦角系の代表的な副作用には以下のものがあります。突発的
    睡眠は、予兆なく寝入ってしまう睡眠発作であり、交通事故などの誘因に
    なることがあります。また、過度の眠気もしばしば見られ、日常生活に
    支障をきたします。膝から下のむくみは、心臓、肝臓や腎臓疾患、長時間
    の座位などで起こりますが、それらの問題がない場合には薬剤の副作用を
    疑う必要があります。幻覚(無いはずのものが見える、聞こえる、気配が
    する)は、認知機能低下の症状でもありますが、薬剤の副作用として起こ
    る場合もあります。病的な賭博(パチンコなどで大金を使う)や買い物
    (異常な浪費)、性欲亢進、過食などが起こることもあり、そのような場合
    は早急に対処しなくてはなりません。

    (次回は補助的な役割を担う薬剤の話をします


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