高松協同病院 言語聴覚士 大塚 清香
「LSVT®(Lee Silverman Voice Treatment)」はパーキンソン病に特化したリハビリテーションです。LSVT®では身 を大きく動かすことに焦点を当てた運動障害に対する治療を「LSVT®BIG」、声を大きく出すことに焦点を当てた発話障害に対する治療を「LSVT®LOUD」と分けて呼んでいます。
パーキンソン病患者様の発話の特徴のひとつとして、知覚のズレが生じてしまいご自身では適切な声量で話しているつもりでも実際は声の大きさが小さくなってしまうことがあります。そのため相手は聞き取リにくくなリ何度も聞き返すなど会話がスムーズに行えなくなってしまいます。
LSVT®LOUDでは、どの程度の声の大きさが適切か言語聴覚士と一緒に誤った知覚を正していき、大きな声で話す習慣を身につけていただきます。口を大きく動かすため会話の声が大きくなるのみではなく、嘩下機能の改善や脳機能の活性化にも効果があると言われています。
リハビリの内容をご紹介しますと、認定セラピストとの一対一の個別訓練を1回60分、週に41ロ連続で、4週間にわたって実施します。「大きすぎる声」ではなく、正常範囲内の声の大きさをフィードバックし学習していきます。個別訓練中は声が大きく出ますがご自宅に帰ると声が小さくなってしまう、ということもあります。そのため毎日ご自宅でも行える宿題を提供し、生活の中でも大きな声を出す機会を設けていきます。最終的にはLSVT®LOUDが終了しても生活場面で大きく声を出す習慣が身についており、また、声の大きさを維持・向上させる発声練習がお一人で行えるようになっています。
病院によってはーか月の入院をしていただいて集中的に行う方法と、希望により外来リハビリぐ LSVT®を行う方法がこ‘ざいます。もしリハビリのご希望や、リハビリに関するこ質問等は、現在かかり付けの病院、もしくはあゆみの会事務局を通じてご照会頂ければと思います。機会があればぜひ、皆様と一緒に楽しくリハビリができることを念じています。